映画 『Never Let Me Go』
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作家カズオ・イシグロの小説『Never Let Me Go』(邦題;わたしを離さないで)のDVDを見た。hiroが前から、「いい本だから読んだら・・・」と言っていたけど耳から耳へ。原作は読まずに映画で。見終わってからしばらく放心状態。こんな話がある訳がないけど、ひどく衝撃を受ける。そしてテーマの重みに圧倒される。

主人公たちは、恋をしたり友情を育んだりということが物語の中心になっている。これってSFだけど一種の恋愛映画なのか・・・・とちょっと引いて見ていたが、後半からグサグサ心がえぐられてくる。hiroから内容を聞いていた訳だが、原作を読んでなければ、内容を知らずに見るのもいいかもしれない。その場合2回は見るべき。混乱すると思うので。見た人と語り合い、そんな映画。お薦めです。


映画冒頭のメッセージ。
  1952年、医療技術の飛躍的な進歩により
  不治の病の治療が可能になった。
  1967年めでに、人間の寿命は100歳をこえた。
そして、映画の舞台は1978年。


医療技術の進歩といいながら、設定は70年代なのが面白い。映像は、抑えた色彩、どこか懐かしいノスタルジックな空気。そして静かな穏やかな音楽。

< 内容 >  
”緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校ヘールシャム。
そこで学ぶキャシー、ルース、トミーの3人は、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。
しかし、外界と完全に隔絶したこの施設にはいくつもの謎があり、“保護官”と呼ばれる先生のもとで
絵や詩の創作に励む子供たちには、帰るべき家がなかった。
18歳になって、校外の農場のコテージで共同生活を始める3人。
生まれて初めて社会の空気に触れる中、ルースとトミーは恋を育んでいく。そんな2人の傍にいながらも、
次第に孤立していくキャシー。複雑に絡み合ったそれぞれの感情が、3人の関係を微妙に変えていく。
やがて、彼らはコテージを出て離れ離れになるが、それぞれが逃れようのない過酷な運命を
まっとうしようとしていた。やがて再会を果たしたルース、トミーとかけがえのない絆を取り戻したキャシーは
ささやかな夢を手繰り寄せるため、ヘールシャムの秘密を確かめようとする。
だが、彼らに残された時間はあまりにも短かった……。” goo映画より


カズオ・イシグロのインタビューもとても興味深い。
カズオ・イシグロ/Kazuo Ishiguro『わたしを離さないで』 そして村上春樹のこと




主人公たちは、決して老いることがない。なぜなら、老いる前に臓器提供という、クローンの使命を果たし、終わっていくから。

<映画のキーワード>
「介護人carer」「オリジナル」「ドナー」「コンプリート」などの言葉。
子供たちが住む「寄宿学校ヘールシャム」、そこに現れる「マダム」
子供たちが描いた絵を飾る「ギャラリー」
子供たちが集めている「コイン」
「コイン」で買う中古の品々
ワゴン車に書かれた「国立ドナープログラム」のロゴ

先生が子供たちに話す場面。
None of you will go to America. None of you will work in supermarkets.
None of you will do anything, except live the life that has already been set out for you.
あなたたちは誰もアメリカに行く事もない、スーパーで働く事も無い、あなたたちの人生はもう既に決まっているのです。

You will become adults, but only briefly.
Before you are old, before you are even middle aged,
you will start to donate your vital organs.
大人にはなるけれど、その期間はほんのわずかです。老いる前に、中年になる前に、臓器提供が始まります。

And sometime around your third or fourth donation,
your short life will be completed.
3回か4回の提供で、あなた達の人生は完了する(死ぬ)のです。


カズオ・イシグロは、この作品のテーマをこう語っている。
”人生の短さを感じた時、われわれは何を大切に思うだろうか”と。

また、朝日新聞でこのように語っている。
”私は成瀬巳喜男や小津安二郎の映画が好きだったが、ロマネク監督も同じころの日本映画が好きだった。主演女優のキャリー・マリガンの演技は、高嶺秀子や原節子を思い出させる。顔の表情をあまり変えずにわずかなセリフで深い感情を喚起させる方法で、見ているとイギリス人が出演している日本映画のような気がした。”と。


本当に衝撃を受けた映画でした。
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by IamYukko | 2012-05-07 19:35 | えいが & ほん & アート
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